今日本で話題沸騰中のボイスチャットSNS「Clubhouse(クラブハウス)」、ひっそりと登録しました。
当初は周囲の人がハマる理由が分からなくて正直戸惑ったのですが、数日経ったあたりから楽しくなり始めました。
現状「このサービス最高!」というよりは、「こういうところは新感覚だし、こういうところは微妙だなあ」というハッキリとした両面があるように思います。
今回は、ざっと触ってみた中での個人の感想を連ねてみました。
Clubhouse(クラブハウス)の良いところ・新しいところ
普段SNSなどで追っている人の意外な一面が見える、即興コラボが起こる
アーリーアダプターの人が色々試している段階だからか、Twitter・Youtube・ブログ界隈で有名な方、芸能人の方もどんどん部屋を作って話をしています。
「この人こんな声してるんだ」「この人Twitterだとすごい強気なイメージだけど、意外と柔らかい人だな」などと、これまでの印象が覆るようなこともありました。
特に面白いなーと思うのが、とくに予定になかった人同士の即興コラボが始まること。
今まで直接話したことがなかった人同士においてClubhouseがきっかけになって絡みが生まれたり、たまたまリスナーとして聞いていた人が急遽スピーカーに呼ばれて話し始めたり。
この「階層を動くエクスペリエンス」がClubhouseならではなのかなと思います。
有名な人と話ができる(かも)
また、有名な方のお部屋においても、彼らがカジュアルな雑談部屋を設定されたり、質問タイムを設けられることが多いので、(勇気さえあれば)彼らと電話をしているような感覚で話せてしまうのがすごいなと思います。
私自身のケースで言うと、好きなクリエイターさんの作業配信のお部屋にお邪魔したところ、たまたま日本が平日の仕事中の時間で空いていたこともあり、なんとご本人と2時間近くも雑談をさせていただき、色々なお話を伺うことができました。
今だけかもしれませんが、こういう超ラッキーなこともあり得るのがClubhouseのすごいところかもしれません。
すごいニッチなコミュニティでも繋がりが生まれる・コロナ禍で人恋しい時にも使える
少人数のまったりした雑談部屋は、可能な限り自分も参加したほうが楽しいです。
たとえば最近私がお邪魔した部屋が、「アメリカ在住の方による韓国語勉強部屋」。
日本時間は真夜中なので人も少ないですし、ニッチかつ基本もくもく部屋なのでずっと話している必要もないですし。
ただ、私にとってはその狭いニッチが偶然ドンピシャ(韓国語好き)だったのでお邪魔しました。
すごく気楽で楽しかったです。
誰でも入れる公開部屋(Open)だけでなく、自分がフォローしている人だけ入れる部屋(ソーシャル)、完全にクローズドな部屋もあります。
Clubhouse(クラブハウス)の課題点・これからの改善に期待したいところ
盛り上がっていてもリスナーからのリアクションができない
たとえば、有名人の方のお部屋なんかでは、簡単に人数が数千人になります(定員は5,000人)。
冒頭でも言いましたが、リスナーの感覚としては誰かのZoomコールを盗み聞きしているような感じなので、リスナーが笑っていても怒っていても、スピーカー側に温度感は伝わりません。
アメリカで人気の動画ストリーミングのTwitchなんかは、ユーザーが自由に書き込めるチャット欄があって、ストリーマー・ユーザー間の双方向のコミュニケーションがリアルタイムで取れるんですけどね。
リスナーとしては、楽しい会話を聞けている時は、拍手でもハートでも、応援と感謝の気持ちを伝えたいよなあと思います。
自分本位すぎる人・マウンティング
誰でもスピーカーになれてしまうので、正直会話のスキルが如実に現れます。
特につまらないというか時間の無駄に感じてしまうのが、マウンティングや自慢をしまくる人の部屋(面白そうなタイトルに入って1分で退出してしまったり)。
また、先程「有名人と電話をしているような感覚で質問や話をすることも可能」という話をしましたが、リスナーからスピーカーに上がってきた人の中で、自分本位さが目に余る人というのも出ている印象です。
他のスピーカーさんの話を楽しんでいる時にそういう人が出てくると、けっこう興ざめします。
https://twitter.com/mitsuha_dayo/status/1358203067808686080?s=20
ちなみに少し話が逸れますが、現在相互フォロー部屋や無音ルームが散見されます。
これもガイドライン的にはアウトのようです。
https://twitter.com/emikusano/status/1356098609708584961?s=20
時間泥棒になりがち・学びを得るソースとしては効率が悪い
リアルのワークショップなどとは異なり、2時間・3時間以上配信が続くことがよくあります。
さらに、先程触れた自分本位なリスナーさんからの質問などの時間でもけっこう時間がかかることもあるので、良い話が聞ける部屋でも「しんどい」となる可能性があります。
聞く専門であれば、VoicyやPodcastの方が話の質が良いなーと個人的には思います。
大きい部屋ではネット回線が不安定になる
定員近い人数が入っている大きな部屋においては、度々ネット回線が不安定になって、モデレーターやスピーカーの人が落ちてしまったり、誰が話しているか分からなくなってしまうことが度々ありました。
リアクションができないという話にも繋がりますが、落ちていても「すみません、落ちました」とかパッとモデレーター同士の連絡も取れないので、回線が安定している人が「どうしよう」と焦っていることもありました。
実名登録必須・電話番号からアカウントがバレるリスク。一度登録すると退会方法はメールのみ。電話番号の変更もできない。
Clubhouseは現状実名を使って登録するルールになっています(日本のニーズには合っていないですし、私含め無視する人も多いですが)。
ここで落とし穴になりがちなのが、電話番号での登録。
すべての匿名twitter民へ、私からの遺言です。
— ビットコ買う太郎 (@bitcoinbuytaro) January 29, 2021
Clubhouseをtwitterの名前でやりたいなら、メインの電話番号でSign upしてはいけません。連絡先に登録されてるリアルな知り合いに通知が飛んでtwitter名がバレて死にます。
ついでに退会も出来ないので詰みます。
実際にはメールをすることで退会のリクエストは出せるようですが、それでも退会できる保証はないようです。
念のため電話番号を他の番号に変えようとしたところ、現状まだそれもできないみたいです。この辺りは出たばっかりの新しいサービスっぽい。
おお。しかも電話番号変更する方法は現状ないっぽい(数週間以内に続報ありそう)。
今のところ番号変わった場合は新規アカ作成が早いとな。
名前もユーザーネームも変えられるのは1回のみ。退会はメールでできるっぽいけど、最低30日間同じ番号では再登録できない。https://t.co/bnIylj6kZF https://t.co/V8goqhJxOh pic.twitter.com/MRtwZchoPd
— みつは🇺🇸📝🎨 (@mitsuha_dayo) January 31, 2021
Androidは現状まだ利用できない(2020年2月時点)
これ、Androidユーザーさんにはダントツ一番のデメリットですよね。
私の仲の良い友人はAndroidユーザーが多かったりするのですが、とにかくFOMO(Fear of missing out:取り残されることのへの恐怖)を使ったマーケティング効果がすごいようで、古いiPhoneをわざわざ取り出して来る友人もいました。
Android pic.twitter.com/nhsCfhFDoF
— うのき (@UNOKINOKI) January 30, 2021
先日、「Clubhouse Townhall」というClubhouseの経営陣をスピーカーとした総会的な部屋があったのですが、そこでも普通に「Androidに対応の予定はないのか。していないのは本当にPainだ」といったユーザーの声が上がりました。
CEOの方は「改善に努めている。良いAndroidエンジニアを知っていたらぜひ紹介してほしい」といったコメントに留めていました。
話してなんぼなSNSなのかも
Clubhouseにて、現状ほとんどリスナーとして過ごしてみたところ、正直私はそんなにハマってはいません。
面白い部屋は面白いし、コミュ障の私でも小さな部屋で新しい出会いもあったので、うまく使えば色々可能性はあるなーと思います。
ただし、聞くことだけに専念すると、時間的にも得られる体験的にも既存のPodcastなどの方が良いかなと。
時間も長いし、すでに疲れ始めてる人出てそう。
雑談を聞き流す使い方にするか、スピーカーに回ることに大きな価値があるサービスのように思えます。
とはいえ、まだまだ(特にデメリットの部分は)変わっていくと思うので、もう少し使ってみようかなと思います。
気になっている方の参考になれば幸いです。
2021年3月追記
アプリをインストールしてから1ヶ月ほど経ったのですが、結局私はあまり好きにならず、使いはじめて1週間ほど経ったあたりで使わなくなりました。
最近あまり名前を聞かなくなったように思いますが、今後どうなっていくんでしょうかね。
2022年4月追記
私は完全にログインしなくなってしまいました。あまりにも使わなくなったので、アカウントを停止したうえで、iPhoneのアプリからも先日ひっそりと削除しました……。
あくまで一時の流行りだったのかもしれませんね。