以前読んだ「Go Giver: あたえる人があたえられる」という本。
簡単な本の感想と、本からの学びを自分のコンテンツづくりにどう活かせそうかについてまとめてみました。
モチベーションが上がる本でもあり、優しい気持ちになれる本です。
小説形式なので、サクッと読めます。
ビジネス本をよく読む人ほど、一度原点に立ち返るような気持ちで読めるかと思います。
「Go Giver」の概要・あらすじ
信託会社で働く野心家のジョーが、とある老師ピンダーに出会い、成功するまでの物語。
サクセスストーリーを通して語られるのは、「与えることの大切さ」。
フィクションなので「さすがにこんなに世界はトントン拍子には進まない」と思うこともありますが、この本のメッセージには共感することが多々あります。
「夢をかなえるゾウ」を読んだことがある人は、近い印象を受けるかもしれません。
ビジネスで成功を収めるための5つの法則
ピンダーはビジネスの秘訣を、シンプルに「与えること」と表現します。
そして成功を収めるための5つの法則として出てきたのが下記5つ。
- 価値の法則:あなたの本当の価値は、どれだけ多く、受け取る以上のものを与えるかによって決まる。
- 収入の法則:あなたの収入は、あなたがどれだけ多くの人に、どれだけ奉仕するかによって決まる。
- 影響力の法則:あなたの影響力は、あなたがどれだけ相手の利益を優先するかによって決まる。
- 本物の法則:あなたが人に与えることのできるもっとも価値ある贈り物は、あなた自身である。
- 受容の法則:効果的に与える秘訣は、心を開いて受け取ることにある。
「もっと詳細を知りたい」という方は、ぜひ本を読んでみてくださいね。
イメージしやすくなればと思い、イラストにもしてみました。
ここからは私の解釈も加えつつ、ひとりの駆け出しクリエイターとしてこの話をどう活かせそうかについて書いていきたいと思います。
コンテンツづくりにGiveの精神をどう活かせるか
価値の法則:あなたの本当の価値は、どれだけ多く、受け取る以上のものを与えるかによって決まる。
長年通っている美味しいレストラン。
友達におすすめしたくなるサービス。
言われてみれば、長く成功しているビジネスって、美味しさだったりコスパだったり、何かしら相手の期待値を超えるという意味で「価値の法則」に則っていますよね。
これってコンテンツにおいても同じだなと思います。
特に有料コンテンツ。無料で様々なコンテンツに溢れている今の時代にも、「この充実した内容で〇〇円は安い!」と思わせるものが存在しますよね。
私は現状すべてのコンテンツを無料で公開していますが、無料コンテンツであっても、「このコンテンツに時間を割いてよかったな」「これが無料って良いね」と思ってもらえるコンテンツを目指したいなと思っています。
収入の法則:あなたの収入は、あなたがどれだけ多くの人に、どれだけ奉仕するかによって決まる。
「収入の法則」は、映画スターやスポーツ選手・成功している経営者などをイメージすると分かりやすいかと思います。
たくさんの人の注目を浴びる大変さはもちろん、経営者の方は重くのしかかる責任もあると思いますが、それだけ多くの人に対して影響や夢を与えていると思うと、本当にすごいお仕事だなと。
コンテンツづくりにおいても、SNSを上手く活用しているクリエイターさんなど、たくさんの人に価値を届けている方に対して、書籍出版やスポンサーなどの機会が生まれていますよね。
ブロガーさんについても、たくさんの方に読まれる記事を提供している方(かつ上手く稼ぐ仕組みを入れられている方)が稼いでいらっしゃる印象です。
私のような駆け出しクリエイターにとっては、「奉仕できる相手」というか、声を届けられる範囲が限られることが、最初にぶち当たる大きな壁だと思います。
私も仲の良い友人以外には特にここでコンテンツをかいていることを言わず、ひっそりと(その分自由に)やっているため、たまに誰もいない公園で演説しているような気分になります。
もちろん「奉仕する相手が少なくても、単価が高ければ」とか、収入の法則に関しては色々見方はあるかと思いますが。
時間はかかっても、人の役に立ったり、人に何らかの感情を引き起こすような良いものを生み出し続けていれば、機会は徐々に生まれていくはず。
逆に、すぐに結果を求めると挫折しがち。
そう思っています。
影響力の法則:あなたの影響力は、あなたがどれだけ相手の利益を優先するかによって決まる。
自分の利・Win-winではなく、自分の利益を忘れて他人の利益を優先することで影響力が増していくという「影響力の法則」。
これってなかなか難しいと思いませんか?
特にクリエイターさんにとっては、自分の表現したいことが皆が求めていることとは限らないなんてことも、よくありますよね。
特定のテーマやトピックに特化してコンテンツを作っている人はオーディエンスの求めるものが分かりやすいかもしれませんが。
私の場合かなり雑多につくるのでおそらくオーディエンスの方の興味範囲もバラバラ。「どういう話が読み手の方にとっての利益になるのだろう」という部分でつまずくことがあります。
最近は、どんな人に向けて書いているかだけは最低限イメージするようにしています(たとえば、この投稿はクリエイターさん向け)。
どんな方向性のコンテンツであったとしても、単なる自己満足のコンテンツを作る人より、「人に利益や価値を提供するコンテンツを作る人」が影響力を持つという話自体は納得感があります。
ブロガーの方は特によく聞く話かもしれません。
って言ってると盛大なブーメランが自分に返ってくるんですけどね(たまに誰得な自己満エッセイ書いてる)。
本物の法則:あなたが人に与えることのできるもっとも価値ある贈り物は、あなた自身である。
「本物の法則」は、端的に言うと自分らしくいることだと思っています。
誰かの真似をしたり、誰かに教えてもらったやり方を実践するだけでは、人の心に届くことはできない。
これ、コンテンツの作り手にとっては肝の部分だと思うんです。
もちろん、SNSでフォロワーを増やすコツだったり、ブログのSEO対策だったり、知っておいたほうが良い(マネして実践した方が良い)How-toはたくさん存在すると思うのですが。
たとえば文章ひとつとっても。経験に裏打ちされた言葉って、誰かが言っていた言葉をそのまま使うより説得力がありますよね。
笑いを誘うコンテンツでも、ほっこりするコンテンツでも、「わかるー」と共感できるコンテンツでも、真面目で役立つコンテンツでも。
コンテンツの方向性を問わず、「この人のコンテンツだから読む」といった「その人らしさ」が出ることって大事だなと思います。
受容の法則:効果的に与える秘訣は、心を開いて受け取ることにある。
手に入れる秘訣は、ひたすら与えること。
与えることの秘訣は、心を開いて受け取ること。
これに関しては、今は閉店してしまった大好きな個人経営のレストランを思い出します。
信じられないほど美味しいのに、かつ価格設定があまりにも安すぎて。通っていた常連のお客さんに「もうちょっと値段上げても良いんじゃない」と言われるほどでした。
もう少し価値に見合う価格設定で、店主さんが気持ちよくお金を受け取れる体制が整っていれば今もやっているのかなあ…と思うと寂しい気持ちになります。
コンテンツづくりにおいては、有料コンテンツであれば対価をもらうこと。
無料コンテンツであれば、誰かにコンテンツを紹介してもらった時や、Noteなどでサポートをしてもらった時などが当てはまるのかなと思います。
私のこのブログもNoteも、いろいろな方からのGiveをいただくことでなんとか続けています。
良いコンテンツを作ることでお返しできるよう、がんばります。
「The Go-Giver」はあくまで小説形式のビジネス本です。
ここまでコンテンツづくりからの観点で感想を並べてきましたが、この投稿を読んでくださっている皆さんのコンテンツづくりには当てはまらない部分もあるかもしれません。
そして、正直これらすべてを実践するのはとても大変だと思います。
ただ、難しいから、本気でこれら全てをやれる人が少ないだろうからこそ、これをすべて徹底した人に成功が訪れるというのも頷けます。
とある経営者の言葉
初めてこの本を読み終わった時、とても優しい気持ちになれました。ふと思い立った時に読み返す本のひとつです。
誰を陥れるでもなく、利益を独り占めするでもなく、誰かに奉仕をし続けることによって自分自身も成功を収める。
本に登場する成功者はすべて温かい心の持ち主で、こんな優しい世界に生きることができればもっと幸せに生きられるだろうなと思いました。
それは、私がインターンでお世話になっていた会社の社長さんの言葉。
彼はイベントや講演などにゲストとしてよく呼ばれるのですが、大抵無償で快諾するのです。
経営者にとって限られた時間をどう使うかは本当に大切。有名な人を招待して1時間の講演イベントを開催する場合、数十万円以上の講演料がかかることだってよくあります。
私が「なんでボランティアで引き受けるのですか」と聞いた時、彼はこう答えました。
振り返ってみれば、何気ない過去のGiveがお仕事に繋がることって私にもありました。
世界一周しながらフリーランスをしていた時も、過去のちょっとしたご縁でお仕事を頂くことがありました。
週末にボランティアをしていたNPOの代表さんのご縁で、雑誌のお仕事を紹介してもらったことも。
昔のGiveが巡り巡って、意外な形で繋がることってあるんだなあと思います。
改めて感じた「与えることの大切さ」。
ここ最近意識できていなかったなあと感じるので、今一度自分に染み込ませて、今後のコンテンツにも活かしていきたいなと思います。